まず、私が出産にこちらの病院を選んだ理由は、自分がこのひたちなか母と子の病院(当時・原病院)で産まれたからです。その時私をとりあげて下さった先生が、現在の院長である手島先生でした。しかも私は1月1日に産まれたため、お正月の中、母のお産で待機して下さったご恩もあり、ぜひ院長先生に自分の子供もお願いしたいと思いました。
予定日を過ぎても産まれそうになかったため、入院して促進剤を使用することになりました。結局分娩出来たのは入院から2日半後。帝王切開になってしまうかもしれない状況で、先生からもこのまま頑張るか、お腹を切って出してしまうか問われました。しかし私の中では、赤ちゃんさえ無事であれば絶対に自分の力で産みたいと思っていたので、長い陣痛に何度も心が折れそうになりましたが気力と根性で自然分娩を望みました。その甲斐あって、お腹を切ることなく元気な泣き声を上げて産まれてきてくれました。感動というよりも「無事に産まれて良かった」という安堵の気持ちでいっぱいでした。先生にも一言、「初志貫徹」と声を掛けていただき、この上ない達成感がありました。
気を強く持ち続け頑張ってはいましたが、お産のことを思い返す度に痛みと戦った時の恐怖やその時の安堵の気持ちがよみがえり、涙が溢れます。何はともあれ無事に出産できて良かったと思うのと同時に、たくさんのスタッフのみなさんには優しく声を掛けて頂き、長い陣痛から産後のケアまで支えて頂き本当にお世話になりました。そして親子二代に渡り面倒を見て下さった院長先生。“お産は赤ちゃんを産むという意識よりも、赤ちゃんを守るということだ”と教わった気がします。人生に幾度とない、素晴らしい経験をさせていただき、ありがとうございました。